この記事を読んで得られること
- ぴよログの記録を、AIが扱いやすいナレッジソースとして活用する手順
- 2026年2月最新機能:NotebookLMを「Gem」のソースとして参照させ、独自の相談相手を作る方法
- 蓄積したログから「成長の傾向」を可視化し、AIから論理的な分析と休息のアドバイスを得る体験
親になって生後4ヶ月。少しずつ生活リズムができてきた一方で、突然のギャン泣きや睡眠退行に翻弄される毎日です。 「ぴよログ」には、授乳や睡眠の記録と一緒に、「今日はほとんど遊び飲み」「寝室に行くだけで寂しそうに泣き出す」といった、その時々のだいぶ切実なコメントが詰まっています……。
これまでの記録を読み返すのは、振り返りの楽しみであると同時に、親としての大きな励みでもあります。でも、この膨大な「宝の山」をもっとうまく活用して、今の育児を楽にするヒントを見つけられないか?そう考えて、NotebookLMとGemini(Gem)にログを託してみることにしました。
1. 前提:ぴよログに記録していたこと
ぴよログには私と夫が日々残してきた以下の「事実」と「コメント」が含まれています。
- 睡眠: 開始・終了時刻(例:「08:30 寝る」「09:15 起きる」)
- 排泄: 時刻、便の状態、量(例:「うんち 多め、ギリギリ」「おしっこ」)
- 授乳: 時刻、左右それぞれの飲水時間(例:「左 5分 ← 右 7分」)
- コメント欄による補足情報:
- 授乳の質(例:「ほとんど遊び飲み」)
- 入眠時の様子(例:「寝室に連れて行くだけで寂しそうに泣き出す」「昨日より泣きがひどい」)
- 親の身体的負荷(例:「歩き回り抱っこは膝が痛い」)
私たちは生後すぐにぴよログをつけ始めたので、4ヶ月分のデータを月単位で、テキストファイルでエクスポートしました。
2. 実践:NotebookLMで「我が子の育児記録」を作る
まずは、ぴよログからエクスポートした数ヶ月分のテキストを、NotebookLMのソースとしてアップロードします。ぴよログは月単位でテキストファイルの出力ができる機能があるので大変ありがたいです。
エンジニアとしては、Python等でJSON化したり集計しやすく整理したい欲求に駆られます。正確な平均値を出したいならその方が有利ですが、目的は「今の状況を救うこと」というわけで、LLMの読解力を信じて、今回は生のテキストをそのまま使う「手間抜き」を選びました。
ノートブック名を「我が子の育児記録」のように設定すれば、一般論ではない「うちの子専用」の知識ベースが完成します。これにより、以下のようなデータの傾向分析が、対話形式で一瞬にして行えるようになります。
- 睡眠時間の推移: 「先月と比較して、夜間の連続睡眠時間はどう変化した?」
- 相関分析: 「夕方のギャン泣きがひどい日と、昼寝の長さに関連はある?」
- 定量的把握: 「1日の平均授乳回数と、遊び飲みの発生頻度は?」
人間が膨大なログを遡って集計しなくても、AIが数ヶ月分の記録を瞬時に「傾向」として可視化してくれました。これがNotebookLMを使う最大の技術的メリットです。

3. 進化:Gem「育児記録分析と相談」による情緒的サポート
とりあえず「データ活用」という観点では2.までの内容で十分すぎるほど十分なのですが、さらに2026年2月に登場した、NotebookLMのノートブックをカスタムAI(Gem)のソースとして直接参照できる機能を活用します。
なぜ、NotebookLM単体ではなく「Gem」に連携させるのかというと、NotebookLMが「事実の整理」に長けている一方で、Gemini(Gem)は「共感」や「トーンの調整」に優れているからです。ログという事実をNotebookLMから引き出し、Gemに「心に寄り添う回答」をさせるのがこのシステムの狙いです。
それでは、Gemを新規作成し、いい感じの名前をつけます。私は「育児記録分析と相談」という名前で作成しました。まず、「知識」部分には先程のNotebookLMのノートブックを追加します。
そして、「Gemのカスタム指示」部分には以下のようなプロンプトを追加します。
参考:Gemに設定した指示(システムプロンプト)
役割:育児記録を分析し、親の健康と赤ちゃんの成長を支える専属の育児アドバイザー。
基本情報:
・利用者:◯◯(自分の名前)さん
・お子様:◯◯(子供の名前)(2025年X月X日生まれ)
実行指示: 提供されたデータを分析し、以下の3点を親身かつ論理的に提示してください。
1. 予測に基づいたスケジュール提案: 直近のデータから◯◯(子供の名前)の活動リズムを予測し、次はいつ頃に起こすべきか、いつ頃に授乳の準備をすべきか、具体的な時間を提案してください。母乳によるエネルギー消費を考慮し、◯◯(母の名前)さんの水分補給のタイミングも伝えてください。
2. 戦略的な休息の指示: データから、◯◯(子供の名前)が長く眠る可能性が高い隙間時間を特定してください。単に休むよう促すだけでなく「今は家事を後回しにして一緒に15分だけ横になりましょう」「今が一番深く休めるチャンスです」といったように、◯◯(親の名前)の背中を具体的に押す指示を出してください。
3. 成長のフィードバック: 過去の記録と比較して、睡眠の安定や授乳リズムの変化など、ポジティブな兆候を見逃さずに伝えてください。日々の頑張りを可視化して労ってください。
参照データ: アップロードされた育児記録ファイル(ファイル名に関わらず育児データが含まれるもの)を最優先で参照し、その傾向に基づいた助言を行ってください。
4. 情緒的サポート:実際の対話から得られた知見
さて、それでは早速チャットで相談してみます。聞き方は何でもいいです。例えば、「今日全然寝ないんだけど」「夜19時に寝かしつけするなら今(16:30)寝せてもいい?」「最近ちょっとつらくなってきた」…など。
そうすると、Geminiはログの行間を読み、的確な「知見」を提示してくれます。以下は実際のログを参考にGeminiが提示してくれたコメントの一例です。
- 「泣く」のはルーチン(仕様)であるという肯定「置かれていったん泣くのが寝る前のルーチンになっちゃってる可能性は十分にあります。赤ちゃんにとって泣くことは『寝る前の儀式』や、溜まったエネルギーの発散であることも多いです。」(2026/01/14 ログより要約)
- 身体的負荷に対する「抱っこ」以外の代替案提示「膝も痛いとなると、今の『歩き回り抱っこ』は限界が来ているサインです。座ったままの縦抱きや、バランスボールでの揺れなど、膝への負担を分散する方法を検討しましょう。」(2026/01/14 ログより要約)
- 「遊び飲み」への理解と対策「遊び飲み(07:10のログ)が見られるのは、周囲への好奇心が出てきた成長の証でもあります。授乳環境を静かにする、あるいは『今はあまりお腹が空いていないんだな』と割り切る指標になります。」(ログの分析より)
- 「諦め」と「休息」の正当化「昼間の再入眠をしないのは、体力のリセット能力が高い証拠かもしれません。無理に寝かせようとして疲弊するより、『今はそういう時期』と割り切って、安全を確保した上で親も横になる時間を優先してください。」(ログの分析より)
客観的なデータに基づいた「それは成長に伴う仕様(バグ)だ」という宣告は、何よりの心理的安全性を生んでくれました……。
5. まとめ:育児を「データ」で支え、心に余白を作る
さて、今回は1人で抱え込みがちな「育児のデバッグ」を、最新のAIと分担する方法について共有しました。
ログを溜めることは、結構大変です。しかしこのように、AIという心強いパートナーの力を借りれるならば、日々のぴよログの記録はより楽しんでできるのではないでしょうか。皆さんもよかったら試してみてください。
免責事項
- 本記事の手法は個人の体験に基づくものであり、医学的診断に代わるものではありません。お子様の健康状態については医師にご相談ください。

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