MacOS Big Surで吉里吉里2/KAG3のゲームを動かす【できる】

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Macユーザ絶望のreadme.txt (「図書館のネヴァジスタ」より)

最新のMac環境でも「図書室のネヴァジスタ」がしたい!!

ということで手順です。今回は「WineskinServer」を使用します。Apple M1, Big Surに対応し、かつ無料の神アプリ。ちなみに、MacOSX Catalinaより前のバージョンを使用されている方は素のWineのほうが使いやすいと思います。

筆者環境

  • macOS Big Sur (11.4)
  • Mac Book Air (M1, 2020)
  • メモリ 8GB
  • ストレージ 256GB

準備

遊びたいWindowsアプリ/ゲーム(exeファイル)のダウンロード

私がやりたい「図書室のネヴァジスタ」は、DL版を以下サイトで購入できます。

図書室のネヴァジスタ(DL版) - TARHStore - BOOTH
全年齢女性向け学園サスペンスADV 「図書室のネヴァジスタ」本編ソフト、ダウンロード版です。 ※PC用ゲームデータのみになりますのでご注意下さい。 サークル公式サイト

購入後、ダウンロードリンクが送られてくるのでそこからファイルをダウンロードします。

推奨スペックを確認してみましょう。

guide.html – 3.開発環境・推奨動作環境
吉里吉里 v2.28 r3 / KAG 3 v3.28 r3
【OS】Windows 2000/XP/Vista/7 日本語版
【CPU】Pentium2 400MHz以上(MMX機能対応)
【メモリ】64Mb以上(推奨128MB以上)
【VIDEO】65536色 (TrueColor, 16bit) 以上
【ディスプレイ】800×600画素以上表示可能な機種
【サウンド】DirectX3以降(WAVEデータの再生が可能なこと
「macOSX」の文字はひとつも見当たりませんが、推奨環境外であることはもとよりです。勇気出して行きましょう。
今回は「図書室のネヴァジスタ」以外での検証は実施していませんが、「吉里吉里 v2」「KAG 3」のエンジンで動作するゲームであれば同じ手順でセットアップ可能です。

Homebrewのインストール

この手順はスキップ可能ですが、あとの作業がすこし楽になるのと、このあとインストールするWineskinServerの推奨項目でもあるので手順を記載しておきます。

HomebrewはmacOS向けの有名なパッケージ管理ツールです。Big Sur / Apple M1の環境に対応していることがわかっていますので、今回はこのHomebrewを使ってWineskinServerのパッケージをインストールします。

Homebrewのページでコードをコピー

HomebrewのWebページは以下です。

Homebrew
The Missing Package Manager for macOS (or Linux).

”Install Homebrew”の下部にあるコードをコピーします。

ターミナル.appを起動する

Command+スペースキーでSpotlight検索を呼び出し、”ターミナル”と打ち込むと「ターミナル.app」が検索されますので、こちらを起動します。

Homebrewをインストールする

ターミナルを起動したら、コピーしたコードを貼り付けて Enter を押します。

管理者パスワードを聞かれる場合は、パスワード入力後、Enterを押します。

下の画面が出たら、Enter を押してインストールを進めます。

パスを通す

インストール後、Homebrewを思い通りに動作させるためのひと手間が必要です。
インストール直後のターミナルの画面に以下のような表示があるので、”echo“以降の一行をコピーしてターミナルに貼り付け、再度Enterを押します。

==> Next steps:
-Add Homebrew to your PATH in /Users/ユーザ名/.zprofile:
    echo ‘eval “$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)”‘ >> /Users/*PCの名前*/.zprofile
    eval “$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)”

Homebrewがインストールされていることを確認する

インストールが終わったら、正しくHomebrewがインストールされているか確認します。

一度ターミナルを終了し、再度起動したあと、”brew help” と入力しEnterを押します。
以下の画面のようにHelpが表示されたらOKです。

WineskinServerのインストール

さて、WineskinServerのインストール方法は以下の2パターンあります。

1. Homebrewを使ってインストール
2. GitHubからパッケージをダウンロードし、手動インストール

今回はWineskinServerが推奨する1. の手順でやっていきます。手動インストールする手順はGitHubプロジェクトのページに記載があるのでご参照のこと。

WineskinServerのインストール(Homebrew)

GitHubのWineskinServerプロジェクトのページを開き、ページ下部、README.md内の”How to install”の下側にあるコードをコピーします。

Homebrewをインストールしたときと同様に、ターミナルを開いてコードを貼り付け、Enterを押します。

Wineskin Winery.app” が作成されたら完了です。(下図はCommand+スペースで検索した結果)

Wineskinのセットアップ

Wineskin Winery.appを起動すると、以下のような小さな画面が出てきます。ここからは、WindowsアプリをmacOSで起動させるためのエンジン(Engine)とラッパー(Wrapper)を構成していきます。

Engineの構成

New Engine(s) available!“の左側にある「+」をクリック。

一番上にある”WS11WineCS…(バージョン番号)…“を選択します。

Download and Install」をクリックします。

ダイアログが出てきたら、「OK」をクリック。インストールが始まります。

リストに入ったらエンジンはOKです。

Wrapperの構成

次に、画面下側にある「Update」をクリック。

自動的に最新のものが選択されるので、「OK」をクリック。

これでEngineWrapperが揃いました。

起動ファイル(Wrapper)を作成する

Create New Blank Wrapper“をクリックします。

起動するアプリの名前を聞かれるので、適当に入力します。ゲームならゲームのタイトルとかがいいと思います。必ず英数字で入力しましょう。

起動ファイル(Wrapper)が構成されました。”View wrapper in Finder”をクリックし、できたアプリを見に行きましょう。

作成されたアプリはこちら。ちなみにいまは何のゲームもインストールしていないので、空っぽの状態です。

ここまでで基本的なセットアップは完了です。ここから、遊びたいゲームをインストールしていきましょう。

WindowsアプリをWineskinにインストールする

さて、ここからいよいよゲームを遊べる状態にしていくのですが、ここでちょっとした下準備が必要な場合があります。

Windowsアプリのフォルダ名と実行ファイル名を英数字に変更する

表題のとおりのシンプルな作業なのですが、これをやらないとインストールの最終段階で下記のエラーが出て死にます。遊びたいゲームが日本語フォルダ・日本語ファイル名の場合は要チェク。

怖い

今回やりたい「図書室のネヴァジスタ」はファイル名・フォルダ名いずれも日本語だったので、下記のとおりに置換しました。
・フォルダ名→neversista
・ファイル名→neversista.exe

また念の為、ダウンロードフォルダから以下のユーザフォルダ直下にゲームのフォルダを移動しました。インストールにおける、階層途中のフォルダの影響を最小限にするためです。こちらはおまじない程度に。

WindowsアプリをWineskinにインストールする

誤字っているのは気にしないで

さきほど作成した空の起動ファイル(neversista.app)をダブルクリックで起動します。

Wineskinのダイアログが出ますので、「Install Software」をクリック。

今回やりたい「図書室のネヴァジスタ」は厳密にはインストール作業がいらない作りになっているので、”Copy a Folder Inside“をクリック。

さきほど修正したゲームが格納されているフォルダ「neversista」を選択すると、以下のように実行パスを生成してくれますので、「OK」を選択。

※途中で以下のようなダイアログが出たら「OK」を押してください。

すべてのダイアログが消えたらOKです。これですべての構成が完了しました

Windowsアプリを起動する

先ほど作成したファイル「neversista.app」をダブルクリックで起動します。

以下の図では一回作り直したので「neversista2.app」を選択しています。ファイルサイズがゲームのアプリ分増えていますね。

起動画面が出たら完了です。お疲れさまでした。

PCゲーは名作も多いので楽しみです。思う存分遊びましょう。

参照

「図書室のネヴァジスタ」 – TARHS Entertainment

TARHS Entertainment

WineskinServerのインストールにあたってはこちらを参考にさせていただきました。

【西川和久の不定期コラム】 無料でWin32/64アプリがBig Surで動作! Apple M1も対応の「WineskinServer」
 以前、M1搭載Mac miniの試用記でWindows環境として「CrossOver 20」をご紹介した。それほど高価でもないのだが、ちょっとWindowsアプリを動かすのには若干ハードルが高い。その後色々物色したところ、同等の機能を無料で構築できる「WineskinServer」を見つけたのでご紹介したい。

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