なぜ今この記事を書いたか
2021年に、高齢の叔父のドコモらくらくスマートフォン3をiPhoneに乗り換えるお手伝いをしました。そのときの記録を2本の記事にまとめています(①端末準備〜SIM交換編 / ②DOCOPYデータ移行編)。
この2本、2026年に入ってからアクセスが急増しています。理由はおそらく2026年3月31日のFOMA(3G)サービス終了です。らくらくホンを長年使っていた方の端末が「圏外」になり、子・孫世代が慌てて乗り換え方法を調べている——そういう状況だと思っています。
それ自体はありがたいのですが、読み返してみると情報が古くなっている箇所がかなりありました。特にデータコピーアプリの終了やiPhoneのモデル変更などは、そのまま信じて動いてしまうと困ることになります。
この記事は手順の解説ではなく、「2021年当時に紹介した情報が今どうなっているか」を調べ直した記録です。①②の記事と合わせて読んでもらえると、現時点での正確な情報がわかるようになっています。
まず:2021年から変わったことと変わっていないことの全体像
大きな変化から先に伝えておきます。
| 項目 | 2021年当時 | 2026年現在 |
|---|---|---|
| データコピーアプリ | 現役 | 2024年に完全終了(iOS版8月、Android版11月) |
| FOMA(3G)サービス | 現役 | 2026年3月31日に終了。対象端末は圏外に |
| おすすめiPhone | SE第2世代 / iPhone 8 | SE第3世代(中古)またはiPhone 16e(新品) |
| 料金プラン | カケホーダイ等 | ドコモmini/MAX体系に刷新(2025年6月〜) |
| DOCOPYのできること | CD/DVDバックアップも可能 | CD/DVDバックアップは終了 |
一方、変わっていないこともあります。
- ドコモショップのDOCOPY(ドコピー)はまだ使えます。電話帳・写真・動画のデータ移行が可能で、セルフ操作なら無料です。
- iPhoneがシンプルで高齢者に向いているという評価は変わりません。
- 基本的な乗り換えの流れ(ショップへ行く→SIMを替える→DOCOPYでデータ移行)も変わっていません。
変わった点を中心に、以下で順番に説明します。
【重要・期限あり】FOMA(3G)終了の影響と、今すぐやること
2026年3月31日をもって、ドコモのFOMA(3G)サービスが完全終了しました(ドコモ FOMA終了案内、参照:2026年4月)。
対象となったのは、おもに2014年以前に発売されたらくらくホン・らくらくスマートフォンです。これらの端末は現在、通話・データ通信・緊急通報(110番・119番)を含むすべての通信が使えない状態になっています。Wi-Fiだけに繋いでいたとしてもSIMを使った通話はできません。
親御さんや祖父母の端末が「繋がらなくなった」と連絡が来た方は、この終了が原因である可能性が高いです。
手続きには期限があります
FOMA終了後も、一定期間は番号の引き継ぎやメールアドレスの移行が可能です。ただし期限があります。
- 電話番号の引き継ぎ:2026年6月30日まで
- ドコモメールアドレスの引き継ぎ:2026年5月1日まで
特にメールアドレスの期限が迫っています。「@docomo.ne.jp」を長年使っていた方は、2026年5月1日を過ぎると引き継げなくなりますので、まだドコモショップに行っていない場合は急いでください。
ドコモショップは3G終了の影響で混雑しているケースが多いです。来店前に必ず予約を取っておくことをおすすめします。
端末の選び方:2026年版のおすすめ
2021年当時のおすすめ「iPhone 8」はもう買わないでください
①②の記事ではiPhone 8をおすすめしていましたが、iPhone 8はすでにAppleのサポートが終了しています。すでに①の記事には追記しましたが、改めてここでも明記しておきます。
サポート終了の影響は具体的で、LINEや銀行アプリ、マイナポータルなど日常的に必要なアプリが使えなくなるリスクがあります。新たに購入するのは避けてください。
なお、マイナポータルの動作環境(デジタル庁 マイナポータル システム要件、参照:2026年4月)によると、iPhoneはiOS 16以上が必要です。2025年6月以降、iPhone 7もiOS 16非対応のため使えなくなっています。
2026年現在のおすすめ2択
「ホームボタンがある安心感」を優先するなら:iPhone SE 第3世代(2022年発売)
Touch ID(指紋認証)を搭載しており、ホームボタンのある操作感は2021年当時と変わりません。新品販売は終了していますが、ドコモのキャリア認定中古品として入手できます。マイナポータルにも対応しています。
「新品で長く使いたい」なら:iPhone 16e(SE第4世代・2025年2月発売)
2025年2月に発売された最新モデルです。画面が6.1インチと大きく、文字が見やすいのが高齢者にとってのメリットです。一方でホームボタンはなく、Face ID(顔認証)になっています。
SE第3世代 vs iPhone 16e:どちらを選ぶか
| 比較項目 | iPhone SE 第3世代 | iPhone 16e |
|---|---|---|
| 発売 | 2022年3月 | 2025年2月 |
| 画面サイズ | 4.7インチ | 6.1インチ |
| ホームボタン | あり(Touch ID) | なし |
| 認証方式 | 指紋認証 | 顔認証(Face ID) |
| 入手方法 | キャリア認定中古 | 新品 |
| マイナポータル | 対応 | 対応 |
| Appleサポート | あと数年 | 長期見込み |
「ホームボタンがあるかどうか」は、高齢者の方にとって思いのほか大きなポイントです。
叔父のケースでは、iPhone 8を使い始めたとき「ここを押せばなんとかなる」という安心感がスムーズな慣れにつながりました。誤操作してもホームボタンを押せば元に戻れる——その心理的なよりどころが大きかったのです。
一方で、顔認証(Face ID)は慣れてしまえばむしろ便利という方もいます。「できるだけ長く使いたい・新品がいい」ならiPhone 16e、「ホームボタンがないと不安・中古でもよい」ならSE第3世代、という選び方が実用的だと思っています。
料金プラン:2025年6月に大幅に変わっています
2025年6月、ドコモの料金プランが大幅に刷新されました(ドコモ 新料金プラン、参照:2026年4月)。2021年当時に叔父の記事で紹介した「ギガライト」「カケホーダイ」といったプラン体系は現在存在しません。
新プランの体系は大きく2種類です。
- ドコモmini:4GBから選べる小容量プラン。データをあまり使わない方向け
- ドコモMAX:無制限プランなど大容量向け
高齢者で「電話とLINEと写真確認くらい」という用途なら、ドコモminiが基本的な選択肢になります。
通話定額は別オプションになりました
2021年当時は「カケホーダイ」として通話定額がプランに含まれていましたが、現在は通話定額が別途オプションになっています。
- 5分無料かけ放題:880円/月(1回5分以内の通話が無料)
- 完全かけ放題:1,980円/月(時間・回数無制限)
電話をほとんどしない場合はオプションなしでも構いません。その場合は22円/30秒の従量制になります。
「電話しかしない」場合の目安
参考として、電話メインの高齢者の方が組む最小構成の目安です。
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| ドコモmini(4GB) | 2,970円/月 |
| 5分無料かけ放題 | 880円/月 |
| 合計 | 3,850円/月 |
適用される割引や家族割引の有無によって金額は変わりますので、ショップでの確認が確実です。
データ移行:アプリは終了、DOCOPYが事実上の一択に
ドコモデータコピーアプリは2024年に終了しました
「ドコモデータコピー」アプリは、2024年に完全終了しています(ドコモ データコピーアプリ終了案内、参照:2026年4月)。
| アプリ名 | 終了日 |
|---|---|
| ドコモデータコピー(iOS版) | 2024年8月30日 |
| SDカードバックアップ | 2024年8月30日 |
| ドコモデータコピー(Android版) | 2024年11月19日 |
| ドコモバックアップ(Android版) | 2024年11月19日 |
スマホアプリを使って自宅でひとりでデータ移行するという選択肢は、現在はありません。ドコモショップに行く必要があります。
DOCOPYは今も使えます
ドコモショップに設置されている「DOCOPY(ドコピー)」という専用機器は、現在も使えます(ドコモ DOCOPYサービスページ、参照:2026年4月)。
電話帳・写真・動画・SDカードデータなどを、専用ケーブルをつないで操作するだけで移行できます。セルフ操作なら無料です。らくらくホンやガラケーからiPhoneへの移行にも対応しています。
ただし一部できなくなった機能があります。CD/DVDへのバックアップは2024年に終了しており、現在はできません。
DOCOPYでできないことも把握しておく
- LINEのトーク履歴・アカウント引き継ぎはDOCOPYでは対応していません。LINEアプリ内の「かんたん引き継ぎQRコード」機能を別途使う必要があります。ショップへ行く前に旧端末でQRコードを発行しておくとスムーズです。
- おサイフケータイのデータ移行もDOCOPYでは対応していません。楽天EdyやモバイルSuicaなど、サービスごとに個別の引き継ぎ手続きが必要です。機種変後に旧端末が使えなくなってから気づくと困りますので、旧端末でデータを「預け入れ」してから来店してください。
- ahamo契約の方はDOCOPYを利用できません。
DOCOPYについての詳しい解説は、別記事「ドコピー(DOCOPY)で何ができる?何ができない?公式情報をもとに整理した」にまとめています。あわせてご確認ください。
ドコモショップへ行く前のチェックリスト(2026年版)
2021年当時から乗り換えの基本的な流れは変わっていませんが、事前準備の内容が変わっています。ショップに行く前に以下を確認してください。
- 来店予約を取る(現在のドコモショップは予約制が基本。混雑しているため必須)
- 期限を確認する(電話番号引き継ぎは2026年6月30日まで、ドコモメール引き継ぎは2026年5月1日まで)
- Apple IDのパスワードを確認しておく(iPhoneに乗り換える場合。忘れると当日解決できない)
- LINEの引き継ぎ設定をしておく(旧端末で「かんたん引き継ぎQRコード」を発行しておく)
- おサイフケータイを使っているなら、旧端末でデータの「預け入れ」を済ませておく
- そのショップにDOCOPYが設置されているか電話で確認する(全店舗に設置されているわけではない)
まとめ
2021年から変わった最大のポイントは以下の3つです。
- FOMA(3G)が終了した:古いらくらくホン・FOMA端末はすでに通信できません。電話番号の引き継ぎは2026年6月30日まで、ドコモメールは2026年5月1日までに手続きが必要です。
- データコピーアプリが終了した:スマホアプリでの自宅移行はもうできません。DOCOPY(ドコモショップの機器)が事実上の一択です。
- おすすめiPhoneが変わった:iPhone 8は購入しないでください。SE第3世代(中古・ホームボタンあり)またはiPhone 16e(新品・ホームボタンなし)が2026年現在の選択肢です。
基本的な乗り換えの流れ(ショップに行く→SIMを替える→DOCOPYでデータ移行)は変わっていません。この記事と合わせて、①端末準備〜SIM交換編 と ②DOCOPYデータ移行編 も参考にしてみてください。DOCOPYの詳細はドコピーガイド記事に別途まとめています。


コメント